『ねころんで読める認知症診療』の続き。
認知症の画像診断についてまとめます。
正常な加齢、アルツハイマー型認知症、前頭側頭型認知症、特発性正常圧水頭症はそれぞれ特異な萎縮パターンがあります。
・正常加齢
正常な加齢では前頭葉の白質が萎縮しますが、皮質の萎縮はそれほど生じないため、
脳表の皮質の形はイチョウ型、奥歯のような形になります。
これは神経細胞がそれほど減少しないことを意味します。
脳溝はシルビウス裂などメジャーな脳溝のみ明瞭になります。
・アルツハイマー型認知症
海馬の萎縮のイメージが強いですが、実際は皮質全体のびまん性の萎縮が特徴です。
左右、前後が均等に萎縮しますので脳表のラインは平滑です。
萎縮によって脳溝が均一に深くなり、脳表の皮質はマッシュルーム型、空いた前歯(すきっ歯)のようになります。※自分にはマッシュルームではなくエリンギに見えます。
・前頭側頭型認知症
アルツハイマー型がびまん性の均一な脳萎縮であるのに対し、
局在的に萎縮し、左右差、前後差が強いのが特徴です。
そのため、脳表のラインは崩壊し凸凹になります。
また皮質の萎縮が高度であり、脳表はジェリービーンズ型、犬歯のようになり、
さらに高度に萎縮するとナイフの刃と称されます。
・特発性正常圧水頭症
DESHと呼ばれるシルビウス裂の開大に比して、高位円蓋部の脳溝の狭小化が有名です。
脳脊髄液の吸収障害によってくも膜下腔の不均衡が起きることが原因と考えられます。
また水平断で違和感のある水たまりも特徴的です。
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