ねころんで読める認知症診療の続きです。
第3の認知症、レビー小体型認知症。
これはパーキンソン病と合わせてレビー小体病と呼ばれます。
レビー小体病ではα-シヌクレインが全身のあちこちに沈着して、多彩な症状を起こします。大脳に沈着すれば認知障害、末梢神経に沈着すれば自律神経障害が生じます。
その結果、認知障害だけではなく、
・パーキンソニズム
・抑うつ、不眠症や不安症、パニック発作などの精神症状
・失神
・REM睡眠行動異常
・薬剤過敏性
・幻視のほか『なんとなく目が見えにくい』『目がぼやける』などの視機能障害
が現れます。
そのため、レビー小体型認知症の患者さんは診断される前に眼科を受診していることが多いです。『白内障の手術をしたが、目のぼやけが変わらない』といったエピソードを聞いたときは、この疾患を思い浮かべる必要があります。
前記事の前頭側頭型認知症の補聴器の話と似ています。
アルツハイマー型認知症が脳だけの障害であることに対して、レビー小体型認知症は全身病なのです。
全身病であるが故に、『不定愁訴』や『うつ病』として対応されてしまう症例があり注意が必要です。
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