レム睡眠行動障害は本来、骨格筋が弛緩しているはずのレム睡眠中に生じる行動異常です。
夢の内容に合わせて、
寝言を言う、手を動かすなどの軽い症状から、
大声で叫んだり、ものを投げたり、隣で寝ている人への暴行など激しい症状のこともあります。
高齢者の2%に見られる行動異常ではありますが、
パーキンソン病、レビー小体型認知症、多系統萎縮症などαシヌクレインが蓄積する神経変性疾患に合併することが知られています。またこれらの疾患の前駆症状であることもあります。
レム睡眠行動障害が生じてから16年後には81%の人がこれらの神経変性疾患を発症したとする研究もあります。
レム睡眠が多くなる睡眠の後半に生じるため、明け方に多い傾向にあります。
またパーキンソン病の早期症状として知られている嗅覚障害の合併率は70-90%と非常に高いことも知られています。
レム睡眠行動障害が見られたら、積極的にパーキンソニズムがないか確認した方が良さそうですね。
今回の参考図書
『外来診療ドリル 診断&マネジメント力を鍛える200問』
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