『ジアノッティー症候群』。
小児科の診察をしない医療者にとっては聞き馴染みのない疾患だと思います。
この疾患は1歳前後の小児に好発します。
ウイルス感染に伴う皮疹が特徴です。
下肢に大きさ3-4mm程度の丘疹が出現し、徐々に上行します。
顔面や手背には丘疹が集簇し癒合傾向を示します。
皮疹の見た目はひどいですが、本人の全身状態は良好のことが多く、軽い掻痒感があります。
日本皮膚科学会のWebページに皮疹の写真あります。
https://www.dermatol.or.jp/qa/qa40/q16.html
EBウイルス、サイトメガロウイルス、コックサッキーウイルス、エコーウイルスなどの複数のウイルスが原因となります。
B型肝炎ウイルスによる同様の症状をジアノッティー病というようですが、ワクチン普及率の高まりにより出会う可能性はとても低いと言われています。
EBウイルス感染症は伝染性単核球症(扁桃炎、異形リンパ球出現、肝脾腫など)を引き起こすことで有名ですが、3歳頃まではジアノッティー症候群として発症するようです。
治療は抗ヒスタミン薬の内服や外用を行い、基本的には経過観察となります。
ジアノッティー症候群は教科書ではあまり扱われていませんが、小児科領域では頻繁に出会うようなので覚えておきます。
今回の参考図書は、
『一般内科医が知っておきたい 皮膚科の話』
コメント
コメントを投稿