あくねす、らくねす、ぽくねす。
何かのおまじないみたいですが、
あくねす=ACNES:前皮神経絞扼症候群
らくねす=LACNES:外側皮神経絞扼症候群
ぽくねす=POCNES:後皮神経絞扼症候群
のことです。
これらは肋間神経の枝が筋肉を貫く部位で絞扼されて、疼痛が出現する疾患です。
障害される神経枝の部位で上記のような3つに分類されます。
慢性腹痛(ACNESは前腹部痛、LACNESは側腹部痛)や
慢性腰痛(POCNES)の原因として注目されています。
慢性の腹痛や腰痛に対して、血液検査やCT検査、内視鏡検査をしても原因が不明なため、
心因性や機能性の疼痛と診断されていることが多く、確定診断がくだるまでに長期間要します。
これらの疾患はピンポイントの圧痛があることが特徴です。
カギ状に曲げた指先で圧痛点を探します。
ACNESでは腹直筋を緊張させた状態で、腹直筋外側より内側1cmの部位にピンポイントの圧痛点が見られ、これをカーネット徴候陽性と呼びます。疼痛が腹腔由来か腹壁由来か鑑別する方法です。
また同部位は触覚や温痛覚の異常も出現します。
Pinch試験は親指と人差し指で腹壁を摘むと強い痛みが出る所見です。
圧痛点を探せたら、局所麻酔注射をすると70%の症例で症状が軽快します。
原因不明の慢性腹痛・腰痛を見たら鑑別に入れられると良いですね。
今回の参考図書
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