救急医は知らない ステロイドの使い方②

 前回の記事同様、『ステロイドの虎』を読んでみて、

気になったところだけをQ and Aで要約します。


Q. ニューモシスチス肺炎の予防はいつするか。

A. ・プレドニゾロン20mg/日以上の投与が、1ヶ月以上にわたる場合。

  ・高用量のステロイドに免疫抑制薬を併用する場合。

  ・少量ステロイド+免疫抑制薬+生物学的製剤の3剤併用する場合。

  ・対象が呼吸器疾患であり、1ヶ月以上のステロイドを要する場合。


Q. 潜在結核を予防するにはどうしたら良いか。

A. プレドニゾロン15mg/日以上を1ヶ月以上投与することが見込まれる場合は、インターフェロンγ遊離試験で潜在結核を検出する。陽性だった場合はイソニアジド投与で予防する。


Q. 骨粗鬆症の治療はどうしたら良いか。

A. プレドニゾロン10mg/日以上が3ヶ月以上続く場合、経口ビスフォスフォネートを開始する。


Q. どのような時にサイトメガロウイルス再活性化を疑うか。

免疫抑制状態でのサイトメガロウイルス感染症は致死的になりえる。

重篤な疾患に対して高用量のステロイドおよび免疫抑制薬を投与している場合(特に高齢者)で、薬剤や原病由来では説明のつかない下記所見があった時にアンチゲネミアを測定する。

『トランスアミナーゼの上昇、血小板減少、下痢や血便、肺炎』。


救急医が長期にわたってステロイド投与を処方することはないですが、長期投与されている患者さんが救急搬送されてくることはあるので、覚えておきたい知識です。


今回の記事は『ステロイドの虎』を参考に作成しました。


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