難治てんかん重積に対する昏睡療法とは

痙攣は救急外来で出会う頻度の高い病態です。

ほとんどの場合、ジアゼパム投与で症状が落ち着くことが多いですが、

重積状態に移行し難治性になることもあります。


以下に段階別の治療方法について記載します。


てんかん重積状態の治療は3段階に分類されます。


第1段階(早期てんかん重積状態:5〜30分)

ジアゼパムが投与されます。

静脈路確保が困難な場合は、ジアゼパムの注腸やミダゾラムの鼻腔、口腔投与や筋注をすることができます。


第2段階(確立したてんかん重積状態:30〜60分)

それでもけいれんが続くようなら、

ホスフェニトインレベチラセタムなどが投与されます。


第3段階(難治てんかん重積状態:60分以上)

上記のような抗痙攣薬でも制御できない場合は、

気管挿管・人工呼吸管理をして、全身麻酔を行います。


30分以上、けいれんが持続すると、脳に不可逆的な変化が起きてしまうため、

第1、第2段階の治療で効果不十分の場合、速やかに全身麻酔に移行します

麻酔薬としてはミダゾラムプロポフォールチオペンタールなどが投与されます。

これらの薬剤は半減期や副作用、薬効など違いはありますが、難治てんかん重積状態において、どの薬剤をどのタイミングでどんな量投与すれば良いかを示す良質なエビデンスはないのが現状です。


ただそんな中、持続脳波モニタリングを用いて、麻酔深度を決定する方法があります。

麻酔薬を増量していき、平坦脳波もしくはburst-suppressionを目指す方法です。

これを昏睡療法と呼び、神経予後がよくなるとする報告が複数あります。

目標に達したら24〜48時間以上維持して、12〜24時間かけて徐々に減量をします。

ただミダゾラムではburst-suppressionに至ることは困難で、てんかん波の消失を治療目標にします。


てんかん重積に持続脳波モニタリングを用いることで、非けいれん性てんかん重積を発見しやすくなります。


今回のまとめは以上です。

コメント