救急外来では高齢者の転倒症例を診察する機会が多くあります。
加齢や内服薬などにより骨密度が低下した高齢者は容易に大腿骨骨折を来します。
大腿部痛を訴えている時は、X線写真のほか、CT検査を行うことになります。
多くの場合、これらの検査で骨折が明らかになりますが、
転位が少ない症例ではCT検査でもはっきりしないことがあります。
骨折線は見えないけど、痛がって動けないし折れているんだろう...ってことよくありますよね。
以前、先輩救急医から
『骨折は画像じゃない。所見で判断するんだ。』と教えてもらったのですが、その通りですね。
そんな時、役に立つかもしれない救急Tipsが
『patella-pubic percussion test』。
聴診器を恥骨結合に置いて、左右の膝蓋骨を打診します。
大腿骨近位部に骨折がある場合、骨折側では低くこもった音になります。
この検査は陽性尤度比6.73、陰性尤度比 0.75だそうです。
CTでもわからない場合は、MRIでの評価が有用ですが、
MRIへの撮影アクセスが悪い病院では、この身体所見をとってみるといいかもしれませんね。
今回の記事は
『知っ得、納得!ER Tips』を参考に作成しました。
いつも有用な情報を発信しているEM Allianceメンバーの先生方の本です!
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