呼気CO2は食道挿管でも見られる

 シニアレジデントだった頃、

気管挿管の成功率を上げようと、酸素ボンベを左手で日々持ち上げて、

『挿管筋』のトレーニングをしていました。

『酸素ボンベトレーニング』と呼んでいました。


新型コロナが流行してからは直視型ではなく、ビデオ喉頭鏡が推奨されるようになり、

挿管筋が不要となり、最近は酸素ボンベトレーニングしていません。

挿管をした後に、気管内にあるのか、食道内にあるのか確認するために呼気CO2を測定することが必須の事項となっています。


しかし

挿管前のバッグ換気により呼気が消化管内に侵入している場合

炭酸飲料を内服した場合

は胃内にCO2が貯留していることがあり、食道挿管しても呼気CO2が検知されることがあります。


消化管内のCO2を検知している場合は、絶対値が低く、換気するごとに減少することが知られてます。


そのため、気管挿管して呼気CO2が検知できたら、手放しに喜ぶのではなく、

少なくとも6回は換気をして、CO2波形が安定して見られることを確認する必要があります。


救急医が気管挿管する場合は、心肺停止の場合が多いですからCO2が安定して出ないことも多いので注意が必要ですけどね。


今回も『ER・ICU 100のdon'ts』を参考に記事を作成しました。

大変勉強になる本です。



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