今回は『そこが知りたかった中毒診療』という本を読んでみました。
中毒診療の基本から応用まで、軽い読み口で書かれているのに、内容はしっかりしている良書でした。
この本の中で紹介されていた論文が有用でしたのでご紹介します。
『Intramuscular Midazolam, Olanzapine,Ziprasidone, or Haloperidol for Treating AcuteAgitation in the Emergency Department』
アメリカのミネソタ州にあるHennepin County Medical Centerの先生方の論文です。
救急外来に来院した興奮状態の患者に対して、どの鎮静薬の筋注が最も効果があるかを調べた内容になっています。
比較した薬剤は、
・ミラゾラム5mg
・ハロペリドール5mgと10mg
・オランザピン10mg
・ジプラシドン20mg(日本未承認)
対象となった患者は
救急外来で興奮状態にある人、737人。
88%が急性アルコール中毒だったようです。
結果はミダゾラムが最も効果があり、
7割程度がAltered Mental Status Scaleが0点以下(0点が正常。-4〜+4まであり。-4が最も鎮静が深い状態)になりました。
オランザピンがそれに次いでいます。ハロペリドールは5mgでも10mgでも4割程度でしか鎮静ができなかったようです。
興奮状態の患者さんは自身だけでなく、スタッフに危害が及ぶこともあるので、早めに対応する必要があります。その点でこの論文は有用だと思いました。
中毒をまず学ぶにはこの本がおすすめです.
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