プロタミン投与における意外な危険因子

 ヘパリンの拮抗薬として知られているプロタミン

ヘパリン-プロタミン複合体を形成することで、ヘパリンの抗凝固作用を阻害します。


このプロタミンをボーラス投与すると、重度の肺高血圧および低血圧となることがあります。

プロタミンショック』と言われています。

いまだに詳細に病態の解明されていませんが、

肥満細胞からヒスタミンが放出されることで起きるアナフィラキシー様の反応や

ヘパリン-プロタミン複合体から産生される物質が肺血管を収縮させる反応が関与していると言われています。


この『プロタミンショック』の危険因子として知られているのが

インスリン投与患者

魚アレルギー患者

精管切除を受けた患者

です。

それぞれの理由を説明します。

インスリンは効果発現までの時間毎に様々な種類がありますが、中間型およびミックス製剤の中にはゆっくりと効果が出るようにプロタミンを添加することでインスリンを結晶化させる工夫がされています。

そのため普段からプロタミンに感作されていると、ボーラス投与を受けた時に症状が強く出る可能性があります。


またプロタミンはサケ科の魚の精巣から得られる物質で精子のDNAに結合した状態で存在していると言われています。そのため、魚アレルギー患者や精管切除後の患者で強く副作用が出る恐れがあるそうです。


そのため、プロタミンを投与する際はボーラスではなく、

添付文書通り、10分間で50mg以下の速度で緩徐に投与するのが望ましいとされています。


今回は『ER・ICU 100のdon'ts』を参考に記事を作成しました。



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