今、救急科を回っている研修医は5人。
救急科のローテートが必修だからとはいえ、嬉しいですね。
しかもみんな救急医療に興味を持ってくれていて、涙。
その研修医に先日、ジャーナルクラブやってもらいました。
今回のお題は
『Conservative versus Interventional Treatment for Spontaneous Pneumothorax』。
自然気胸を保存的加療と侵襲的加療に分けて治療成績を比較してみた。という内容です。
2020年1月30日号のThe New England journal of medicineに掲載されました。
対象となったのは
『初発で』『片側性の』『合併症のない』
『中等度〜高度』の気胸患者です。
すぐに胸腔ドレーンを挿入する侵襲的治療群と、
X線写真で経過を追う保存的加療群に分けられました。
主要アウトカムは8週間以内の肺の再膨張。
計316例が無作為化されました。
その結果、保存的加療群 94.4% vs 侵襲的加療群 98.5%であり
両群の肺再膨張率に有意差はなく、保存的加療群の非劣性が証明されました。
保存的加療群に割り付けられた中の15%の症例で、呼吸状態が悪くなるなどの理由で侵襲的加療を受けたそうです。
つまり全身状態が安定していれば、保存的加療が選択しうるということですね。
中等度から高度の気胸に保存的加療を行うなんて、
むしろこちらが侵襲的加療群なのでは?と思うくらいアグレッシブな研究でした。
胸腔ドレーン挿入の手技に自信がない場合は、
それを隠して、『論文を読んであえて保存的加療をした』と言い張る人がいるかも。
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