REBOA留置中のCTのメリット・デメリット

 REBOAは低侵襲な大動脈遮断を可能にします。

出血性ショックを伴う多発外傷に用いられることが多いと思います。


私が勤務する施設では、IVR医が非常に優れているので、救急医がREBOAをする機会はあまりありません。

しかし「防ぎ得る外傷死」を減らすために、救急医も安全かつ確実にできなければいけない手技です。


今回、読んだ本はDIRECT REBOA研究会が書いた

REBOAハンドブック」。

REBOAのイロハからcontroversialなことまでコンパクトに書かれています。



本記事は「REBOA留置中のCT」についてまとめてみたいと思います。

出血性ショックの患者さんを輸血を急速投与しながら、CT撮影するのは危険を伴います。

そこでREBOAを留置して、出血量を抑えながらCTを撮影することがあります。


REBOAで大動脈を遮断していると、遮断部より遠位動脈に造影剤が流れず、extravasationが見つけられないのでは?

と思っていましたが、そうでもないらしいです。


盲目的にインフレーションするとオーバーインフレーションとなって完全遮断となり、この場合は造影剤が流れていかないこともあるそうですが、

大腿動脈のA lineで波形を確認しながら、少しでも動脈圧波形があれば、十分に遠位に造影剤が流れていくようです。


60%程度までのpartial REBOAは100%(完全遮断)と比較して、近位(上肢)動脈圧が変化しなかったという研究もあるので、

患者さんの状態に応じて、60%-95%くらいのpartial REBOA状態にして、CT撮影すれば、出血も制御しつつ、出血源も特定できるということになると思います。



とても勉強になります。

REBOAハンドブック


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