交通事故の診断書が最たるものだと思います。
救急科の医師であれば、毎日のように記載すると思いますが、ただ大学で教わった記憶はありませんし、職場でも系統的に教わっていません。
受傷日より◯◯日の治療期間を要する見込みである。この◯◯が曲者です。
外傷の程度は人によってそれぞれですので、同じ傷病名だとしても治療期間は前後するのが通常だと思います。
先輩に教えてもらって、なんとなくこのくらいかなという期間を書いているのが実情だと思います。
そんな疑問に対する答えが
『当直でよく診る骨折・脱臼・捻挫』を読んでいたら見つかりました。
道路交通法により運転者は警察に負傷者の外傷の程度を報告しなければならず、その程度に応じて加害者は反則切符を切られるというのです。
受傷から治癒までが
15日未満:違反点数2-3点
15日以上30日未満:免停30日間
30日以上3ヶ月未満:免停60日間
3ヶ月以上:免停90日間
だそうです。毎日のように記載している診断書の内容によって、加害者の処分が決定していたとは...。
また驚いたことに警察は診断書をもとに処分を下すわけですが、診断名をあまり気にしていないというのです。反則切符の点数を決めるという目的なので、外傷の程度のみを気にしているようです。
いつも詳細に診断書を記載していたのですが、今後その苦労はしなくていいのでしょうか。
頸椎捻挫における軟部組織損傷は医学的に見れば3ヶ月程度かかると言われていますが、外傷の程度としては軽いため、全治2週間と書くことが通例となっています。
ちなみに頸椎捻挫が医学的に治癒までに3ヶ月かかるから、診断書に『治癒まで3ヶ月』と書くと、警察から期間を短くできないかと問い合わせが来るそうです。
結構重要なことなのに、知らなかったので書いてみました。
★当直でよく診る骨折・脱臼・捻挫★
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