尺骨骨幹部骨折に橈骨頭脱臼が合併した骨折を、モンテジア骨折と言います。
カタカナの名前の骨折って多くあってなかなか覚えられませんが、モンテジア骨折は有名なほうです。
尺骨骨折ばかりに目を取られて、橈骨頭脱臼が見逃されやすいと言われているので、
前腕のX線写真で骨折がわかったら、肘関節部のX線写真も撮るべきだと覚えておきましょう。
以前の記事で肘のX線写真の読影時に見るべき『Fat pad sign』について解説しましたが、
肘のX線写真で注目するポイントは他にもあります。
『Radiocapitellar line』と『Anterior humeral line』です。
Radiocapitellar lineは橈骨の長軸は上腕骨小頭に向かうのが正常です。
この軸がずれていることは橈骨頭の脱臼を意味します。
Anterior humeral lineは上腕骨の前縁の軸は、上腕骨小頭の中1/3を通るのが正常です。
この軸がずれていることは上腕骨顆上骨折を意味します。
橈骨頭脱臼を見つけた時に、もう一つ注意することがあります。
後骨間神経麻痺です。
この神経は橈骨頭の前方を走行する橈骨神経から分岐した運動神経です。
そのため、橈骨頭脱臼の際は、手指を伸展できるか確認しましょう。
今回のブログの内容はこの本を参照し作成しました。
とてもわかりやすく書かれているのでおすすめです。
★当直でよく診る骨折・脱臼・捻挫★
骨折シリーズが続いて大変勉強になります
返信削除コメントありがとうございます。料理ばかりアップしている時期がありましたが、救急医の日々というブログタイトルにふさわしい記事をどんどんあげていこうと思います。
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