膝蓋骨骨折について
横骨折は手術適応があり(靭帯により割れた骨が頭側と尾側に引っ張られてしまうため)、
縦骨折は骨折は手術適応がない(靭帯により骨折線と同じ軸方向にしか引っ張られないので)
と単純に覚えていました。
しかし違ったようです。
横骨折の中でも転位がなく、周りの伸筋支帯に損傷がない場合は手術適応がないようです。
転位がある場合は、伸筋支帯も損傷があり、手術適応があります。
それを判断する身体所見があります。
『イスに座った状態で、重力に逆らって膝を伸ばせるかどうか』です。
膝を伸ばせるのであれば横骨折でも原則手術が不要だそうです。
手術をしない場合も、膝を曲げると伸展機構が壊れてしまうので、3-4週間のギプス固定が必要です。
膝蓋骨骨折の鑑別疾患があります。
『分裂膝蓋骨』です。
外傷とは関係なく、もともと膝蓋骨が複数個に分裂しています。原因は不明なようです。
外側上方に分裂があるタイプがほとんどだそうです。
この分裂膝蓋骨がスポーツや外傷を契機に、痛みを生じることがあり有痛性分裂膝蓋骨と呼ばれ、膝蓋骨骨折との鑑別が必要なります。
分裂膝蓋骨のX線写真の模式図
救急医は整形外科的な対応も求められることがしばしばです。
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