小児のけいれん

私の勤務する病院では救急科が小児の内因性疾患を診察する機会がありません。

しかしそんなことは関係なくDr Car(プレホスピタル)は小児の内因性疾患で呼ばれ、要請が入ると普段の5倍は緊張します。

小児は体重あたりの薬剤投与量や使用するデバイスのサイズが異なることも苦手意識がある要因のひとつです。

そのような気持ちを少しでも和らげるために事前準備が大切ですので、小児内因性疾患の代表であるけいれん時の投与薬剤についてまとめてみました。後でパウチ加工してDr Carに持っていけるように簡潔に記載しました。『小児けいれん重積ガイドライン2017』を元に作成しています。


小児は静脈路確保が難しいことが多く、プレホスピタルではその難易度はさらに増します。そのため頬粘膜や鼻腔、直腸投与や筋肉注射などベンゾジアゼピンの非静注の投与方法があるのが特徴的です。小児では薬剤の必要量が少ないため、希釈して投与したくなりますが、非静脈投与の場合は原液で投与します。希釈して水分量が多くなると(特に頬粘膜や鼻腔投与時)気道に薬剤が入ってしまい、呼吸のトラブルにつながってしまうからです。

ガイドラインではミダゾラムを静注する際は投与速度がゆっくりで、0.15mg/kgを1mg/minで投与することになっています。一方でジアゼパムは0.3mg/kgを緩徐に静注することになっています。
10kgの小児を例とすると
・ミダゾラム1.5mg(原液だと0.3ml)を1.5分で投与。
・ジアゼパム3mg(原液だと0.6ml)を緩徐に静注。
プレホスピタルで1.5分かけて静注はあまり現実的ではないので、静注するならジアゼパムの方が楽な印象がありますが、どうなのでしょうか。

最近、人間は言葉でできていると学びました。苦手、苦手と言っていればその通りになってしまうそうです。小児は得意だと言い直しておきます。小児は得意!!!


『小児のけいれん』
https://drive.google.com/file/d/1QgddOcrw7E5nlmWns3DA7eFtAs15cNq9/view?usp=sharing


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