サッカー選手は神経変性疾患による死亡リスクが高い

サッカー選手の神経変性疾患による死亡に関する論文がThe NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINEに2019年11月に掲載されました。

アメリカンフットボールやサッカーなどのコンタクトスポーツ選手は認知症などの神経変性疾患の罹患率が高いことが先行研究で知られています。接触プレーを長年し続けると慢性的な頭部外傷によりこのような疾患が増えると言われています。




今回の論文ではスコットランドの元サッカー選手の神経変性疾患による死亡リスクについて後ろ向きコホート研究がされました。選手のデータベースを利用してスコットランドでプロサッカー選手としてプレーしたのち、引退した元選手を年齢、性

別、社会的ステータスを一致させた一般市民と比較しています。

結果は40歳から70歳までは元選手で総死亡率が低いものの、それ以降は逆転し一般市民の総死亡率が低かったようです。死因別で見ると虚血性心疾患や肺癌では元選手の方が死亡率が低く、神経変性疾患では元選手で死亡率が高いとの結果でした。

神経変性疾患の中でも最もリスクが高かったのがアルツハイマー型認知症でハザード比は5.07、最もリスクが低かったのがパーキンソン病でハザード比は2.15でした。認知症に関連した処方薬はもちろん元選手の方が多く、ゴールキーパーよりもフィールドプレイヤーで多かったようです。接触プレーの頻度が多いプレイヤーほど神経変性疾患になりやすいと言うことですね。

スポーツは一般的な疾患の死亡率は下げますが、接触プレーをすると神経変性疾患をおこしてしまうことがわかりました。つまり接触プレーのないスポーツをすれば良いですね。スポーツの良い面、悪い面がわかりました。


『Neurodegenerative Disease Mortality among Former Professional Soccer Players』
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1908483

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